私が16歳でバイクの免許を取得できる頃、日本は空前のバイクブームに沸いていました。
クラスメイトたちは、主に50ccの原付バイクに乗って、楽しそうに盛り上がる姿が印象的でした。
しかし、私はというと、流行に流されない性格から、冷めた目でその様子を眺めていたのです。
そんなある日、1980年代後半に見たスポーツ番組で、アメリカのAMAスーパークロスが紹介されました。
その時、KAWASAKIのライムグリーンのバイク、恐らくKAWASAKI KX250に心を奪われたのです。
まだその時は、バイクに乗る気持ちはありませんでしたが、オフロードバイクに対するわずかな興味が芽生え始めました。
そして、社会人になった年。
同期の友人がオフロードバイク、具体的にはHONDA XLR250に乗っていると聞き、ツーリングの楽しさを語る彼の話に、次第に興味が湧いてきました。
翌年、ついにその友人から初めてオフロードコースに誘われました。
そして、人生初のオフロードバイク、SUZUKI DR250を体験することになったのです。
これが、私のバイクライフの始まりでした。
その体験を経て、私はその翌週に24歳と遅咲きながら自動二輪車免許(現在の中型自動二輪免許)を取得することを決意しました。
もちろん、母からは「バイクは危ないから…」と反対されましたが、何とか免許取得の許可を得て、職場から近い教習所に入校しました。
職場のバイク乗りの先輩たちに教習所に入校したことを伝えると、笑いながら(半分呆れた様子で)、「自己責任だからな!」と言われたのが今でも記憶に残っています。
このように、私のバイクとの出会いは、思いもよらない偶然や影響が重なり合って生まれました。
今を考えると、今の職場に就職し、その同期の友人と会わなければ、バイクに乗ることはなかったかもしれませんね…。
続く。