RMX250S納車記念 その5  湯河原峠から伊豆スカイラインへ

バイクとの出会い

黒い稲妻との邂逅と胸の高鳴り  

黒い稲妻と呼びたくなる1台とすれ違い、胸の高鳴りが収まらぬまま、小田原厚木道路を抜け、箱根ターンパイク(現・アネスト岩田 箱根ターンパイク)湯河原峠料金所へと向かいました。

そこからは自然と二手に分かれ、飛ばしたい組と、ゆっくり走りたい組とに別れて走行を開始します。  

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速いグループはXLR250が2台とDR250の計3台。ゆったり組はバンデット250、ビラーゴ250、そして私のRMX250Sの3台。

料金所を抜けるとすぐ、長い直線の上り坂が現れ、緩やかなワインディングへと続いていきます。

ここでは、どうしてもスロットルをひねりたくなる――そんな誘惑がライダーの心を揺さぶります。  

箱根ターンパイク

初めてのワインディングでの気づき  

私は慎重にスタートしたものの、やがて自然とスロットルは開き気味に。

大観山から椿ライン、熱海箱根峠線、伊豆スカイラインを経て、目的地を目指す道のりで、私はそのまま6台の最後尾に位置して走り続けました。

熱海箱根峠線

特に下り坂では、他の5台に置いて行かれる場面が目立ちます。

その原因はすぐに分かりました。

2ストロークのRMX250Sはエンジンブレーキが効きにくく、さらに当時の私は前後ブレーキの使い分けにも不慣れ。

コーナーでは外へ膨らむ危うい走りを繰り返し、何とか隊列に食らいつきます。  

これまで車で何度も走ったことのある道路。

しかし、バイクでは全く違う世界が広がっている――そう痛感させられる時間でした。  

伊豆スカイライン

廃校を宿とする「やまびこ荘」へ

長い道のりを経て、ついに目的地である「やまびこ荘」にたどり着きました。
到着した瞬間、まず胸を満たしたのは、無事に走り切れたという安堵。
しかしその奥には、まだ道を進み続けたい──そんな小さな衝動も確かに残っていました。
けれども今回は愛車との初めてのロングツーリング、その初日の終着点です。
一日の出来事をゆっくり反芻しながら、その夜はこの宿で過ごすことにしました。

時が止まったような木造校舎の宿

「やまびこ荘」は、かつて廃校となった小学校を宿泊施設へと生まれ変わらせた場所。
建物は昔のままの姿をほぼそのまま残しており、木造ならではの温もりと、ほのかな古さが心地よく漂います。
廊下として使われていたであろう長い通路を歩くと、足元からミシミシと響く音。
そのひとつひとつが、ここで過ごした子どもたちの笑い声や足音を思い起こさせるようでした。

この初ツーリングは、30年以上前話ですが、令和の現在もこの空気は変わらず漂っているのでしょうか。
もしそうなら、それはこの宿にしかない“時の蓄積”という贅沢なのかもしれません。

いこうよ西伊豆
海と山の生んだ夕陽のまち「西伊豆町」四季折々に、朝に夕にと表情を変える美しい自然環境が西伊豆町にあります。
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