白バイ隊員OBによる実践的なライディング指導を受けられる「スラロームマニア」。
10月開催の三共ステージもついに終盤戦。午前の基本訓練を経て、午後は総仕上げとなるコーススラローム、そしてタイムトライアルへ。
参加者たちの真剣な走りを感じながら、自分自身の走りを見つめ直した一日となりました。
応用訓練へ、総仕上げのコーススラローム
昼食休憩を終え、午後は参加者が最も楽しみにしている「コーススラローム」がスタート。
午前の基本訓練——パイロンスラロームと制動——を踏まえた応用編として、設置されたコースで約50分間の総仕上げを行います。
恒例のタイムトライアルもあり、まさに一日の集大成といえる時間です。
コースに入ると、いつものレイアウトとは一味違う印象。
慣熟走行の段階から気になっていましたが、今回は回転セクションが無いものの、切り返しがタイトな箇所が数カ所。
軽量な車両にはほどよいチャレンジですが、1300cc以上のビッグネイキッドや1600ccの大型ツアラー、さらにはセパハンのスーパースポーツとなると、かなりテクニカルな設定です。
それでも常連の方々の走りは抜群で、重い車体をものともせず、キレのあるブレーキングと旋回を披露。
特に大型ツアラーを操っていた参加者の滑らかな走行には思わず唸らされました。

追走レクチャーで得た気づき
練習中、主催者代表の方に私の走りを追走していただく機会がありました。
後ろに付いてもらうだけで、どうしても力が入ってしまい、わずかなミスが出ます。
レクチャーでは、ライン取りやブレーキングには一定の評価をいただけたものの、「それをコーススラロームで生かしきれていない」との指摘。
スロットル操作もブレーキングも“ゆっくり”とのことでした。
もっと自信を持って、メリハリあるアクセルワークとタイミングを心がければ問題なく走行できるとのアドバイスをいただきました。

タイムトライアルに向けて――静かな緊張の時間
プラクティスが終わり、指導員から「これで本日の練習は終了」との声がかかりました。
そして参加者一人ひとりに出走順が告げられました。
今回もいつものように、主催者側の判断で走行ペースの遅い順からスタート。
私は7〜8番目あたりの早めの出走となりました。
ルールはいつも通り。
スタート時、右後方確認を忘れると3秒加算。パイロンに車両または身体の一部が触れても3秒加算。
そして、ミスコースや転倒は即失格。
今回は回転セクションがなく、よりスムーズな精度が試される構成となりました。
いざスタート――集中の数十秒
ついに自分の出走の順番が巡り、スタートラインに立ちました。
深呼吸して集中を高め、パイロンに触れそうになりながらも、可能な限り丁寧に、速く、走り抜けるように心がけ、結果は26台出走中16位。
後で他の参加者の走りを動画で確認すると、上位陣はより攻めた走りをしている一方で、パイロンタッチによる加算が多いことも分かりました。
あと少し踏み込めていたら、タイムは変わっていたかもしれない——そんな思いがよぎりました。

「メリハリのある走り」――次なる課題
今回、練習中に指導員から指摘された言葉が改めて胸に響きました。
「スロットル操作とブレーキングにもっと思い切りを」。
確かに上位の方々の走りを見ると、動作の切り替えが鮮やかで、メリハリがあります。
それに比べ、私の走りはまだ“つなぎ目”が優しすぎるようです。
優しすぎる操作では、タイムに対して余白を残してしまうことを改めて再認識させられました。

次の目標は明確だ。——走りにメリハリをつけること。
教わるほどに自分の癖が見え、限界が輪郭を帯びてきます。
練習量だけでは埋まらない“質”の追求が、次のステップに必要なのだと思いました。
また次の挑戦へ
夕方、会場を後にしながら心に決めました。
「また参加しよう」。
技術を磨くということは、自分を少しずつ見つめ直すことでもあります。
バイクと向き合う時間の積み重ねが、日常の均衡を取り戻すひとつの儀式のように感じられました。
次回、さらに成長した走りを目指して。

