RMX250S納車、その朝
待ちに待った納車の日の朝が、ついにやってきました。
お店から「準備が整いました」と連絡をもらって以来、胸の高鳴りが止まりません。
ただじっとしていられず、気もそぞろに店へと向かいました。
初対面の衝撃
店先には、鮮烈なイエローのRMX250Sが堂々と鎮座。その存在感に思わず息を呑みました。
まず圧倒されたのは、シート高の高さ。跨った瞬間、素直に「高ぇ!」と思わず声が漏れました。
でも、その高さすら愛おしく思えるから不思議です。

キック始動に挑戦
250cc・2ストロークエンジン。もちろんスターターセルなどない、クラシカルなキック始動。
初めてオフロードに触れたあの日のDR250Sを思い出しながら、キックペダルに足をかけました。
店員さんが丁寧にコツを教えてくれるものの、緊張で手汗がにじみました。何度かキックを繰り返し、ついに爆音とともにエンジンが始動。
2スト特有の甘いオイルの香りが漂い、自然と笑顔がこぼれました。
いざスタート…、まさかのエンスト
半クラで発進…のつもりが、いきなり一発エンスト。
納車早々やらかしてしまい、内心「本当に乗って帰れるのか?」と不安に。
後で聞けば、クラッチの遊び調整が少なかったのが原因とのこと。
こういう“クセ”もまた、このバイクならではの楽しさでした。
不安と期待が入り混じる帰路
「配送してもらおうか…」と一瞬弱気になりつつも、新しいバイクを自分の手で走らせる喜びは格別。再びキックを踏み、今度は一発始動。 慎重にクラッチミートし、ゆっくり走りながらシフトチェンジを重ねるも、2スト特有の神経質な挙動に戸惑いを感じました。
低回転では力なく苦しそうに身をよじるエンジン。エンジンは「もっと回してくれっ!」とまさに訴えているようでした。
以前「やっぱり2ストは回してナンボだ」という知人が放った言葉が頭をよぎりました。
生き物のようなエンジン
けたたましい排気音を響かせながら、静かな街をそろりそろりと走る帰り道。
「まだ自分には早すぎたかも」と弱気な気持ちも顔を出しますが、スロットルをひねると、生き物のように応えてくれるエンジン。
その瞬間、胸いっぱいのワクワク感が広がりました。
イエローのRMXと過ごす初めての日
納車の帰り道、その時このRMX250Sが“自分のもの”だという実感はまだ薄い状態でした。
でも、これからこの相棒とどんな道を走り、どんな景色を見るのかを想像するだけで、心が熱くなりました。
いつか、この手強いマシンを自在に操れる日を夢見て──。
興奮冷めやらず、ほとんど眠れなかったバイク初日。
それもまた、バイクに乗り始めた頃の最高の思い出です。