前回の続き。
~NC750Lとの最初の対話~ ウォーミングアップは“馴染む”ことから
私たち初級グループは、バイクが並ぶ車両倉庫から隣接する敷地内へ移動。
まずは、本日選んだ車両に身体を慣らすため、指導員を先頭にコースを数周回るウォーミングアップが始まりました。
走り出しの時間は、まるでバイクへ自己紹介しているようなもの。
お互いに探り合いながら、少しずつ感覚を合わせていきます。
NC750L、第一印象は“素直”
周回の中で、私は今日の相棒・NC750Lのフィーリングを確認。
第一印象は、癖のない素直な乗り味でした。
正直に言うと、愛車のMT-07よりも乗りやすいと感じたほど。
もちろんMT-07は軽量でパワーも十分、スタイリングも秀逸な魅力的なバイク。
ただ、ステップ位置や脚付き、ABSの作動具合、リアブレーキの柔らかさ、そしてクラッチの繋がり方など、長い付き合いの中で気になる点もいくつかあります(最近ようやく慣れてきたのですが)。
HONDAらしい安心感
その点、NC750Lは特筆すべき欠点が見当たらず、走り出しから安心感がありました。
私が乗った車両は多くのライダーに乗られてきた教習用らしい状態でしたが、それでもこの安定感。
新車であれば、なおのことスムーズで質感高い乗り味が想像できます。
さすがHONDA…という一言。
強いて挙げるなら、デザインやパーツ構成がやや控えめで、フロントブレーキのディスクがシングルであることくらい。
ただ、その落ち着きとフレンドリーさは、むしろ長く付き合える魅力になるかもしれません。
ブレーキ練習で気づいた「姿勢」の大切さ
次に取り組んだのは、ブレーキの練習でした。
指導員の方からは、教習所で習うように「フロントブレーキ70%、リアブレーキ30%」を目安にとの説明がありました。
しかし私にとって特に印象に残ったのは、前後のブレーキ配分よりも**ブレーキ時の身体の姿勢**に関するアドバイスです。
「大きなボールを抱える」イメージ
加速時はやや前傾姿勢を保ちますが、制動に入るときは両腕に力を入れすぎないよう意識します。
その際のポイントは、大きなボールを抱えるように腕を少し伸ばし、お尻は尾骶骨をシートに預けること。
このフォームを意識するだけで、ブレーキ時の安定感が大きく変わるのを実感しました。
急制動チャレンジ
練習の終盤、指導員から「少しスピードを上げて、ブレーキをかけてみましょう」との指示。
私は50km/h強まで加速し、一気に急制動を試しました。初級クラスということもあり、速度について注意されるかと思いましたが、この程度であれば特に問題なしでした。

車種ごとのABSの違い
興味深かったのは、私の愛車MT-07ではすぐに作動するABSが、この練習で乗ったNC750Lでは作動までには至らなかったこと。
ABSが簡単に介入することを好まない私にとって、これは好印象でした。
「MT-07のABSも、このくらいの入り方だったらな…」と、つい比べてしまった場面です。
続く

